近年、若い女性が警備員として働くケースが増えてきており、実際に女性警備員の需要は高く、女性ならではの強みを生かした業務に期待が持たれています。今回は、そんな女性警備員として働く場合のメリットや注意点などについて解説します。
目次
女性警備員の強み、女性が警備員に求められる理由
個人にもよりますが、一般的に男性と女性とでは相手に与える印象や得意な仕事の分野などに違いがあると考えられています。この違いは、警備業界においても言えることです。下記に、女性ならではの強みが警備会社に求められている理由について解説します。
物腰の柔らかさ
警備員には様々な仕事があります。
例えば、交通整理やイベント時の誘導は、その代表的なものです。
こうした業務は、単に車や人に指示を出すだけでは務まりません。実際には、適切なコミュニケーションによる意思疎通が求められます。
この際、女性警備員は物腰の柔らかな態度で接するため、相手に優しい印象を持ってもらえる可能性があります。
何か不明点がある場合も、警備員に声をかけやすくなると考えられます。特に、小さなお子さんや女性、高齢者は、女性警備員のほうが気軽に接しやすいという傾向にあるようです。
また、クレームやトラブル解決に向けた対応も、警備員の業務の1つです。こうした際に男性が対応した場合、相手に威圧的な態度として映ってしまうことがあります。そのせいで、問題がより深刻化してしまう恐れもあります。
一方、女性警備員の場合は、前述した物腰の柔らかさもあって、相手の感情も穏やかになります。そうすることで、相手の要望に対して寄り添った対応ができることも多く、トラブルがスムーズな解決につながるケースも多いようです。
女性警備員でしか入れない区域がある
例えば、施設警備の場合、トイレや授乳室、メイクルーム、更衣室など、男性が立ち入るのが、はばかられる場所は少なくありません。女性客からすれば、いくら警備員だとしても、トイレに男性が入ってくるかもしれないと考えると、安心して利用しにくくなるでしょう。
そこで、女性警備員がいれば、上記の問題は簡単に解決できます。同性同士ですから、どの場所に足を踏み入れても問題はありません。結果として、施設内の隅々まで巡回を行えます。
さらに、子ども連れのお母さんに対しては、女性ならではの視点で対応ができるため、より安心してもらえる案内や誘導などにつながるでしょう。
なお、女性警備員は男性トイレに入れませんが、そこは男性警備員との連携により、カバーできるので問題ありません。
女性警備員として活躍しやすい現場
案内業務や誘導業務などが多く発生する場面や、来賓・来客に柔らかな印象を与えたいときに、女性警備員の配置は有効といわれています。
下記では、女性警備員が活躍しやすい現場の特長を紹介します。
花火大会やコンサートなどのイベント会場
たくさんの人が訪れるイベントの現場では、女性ならではの柔和な対応が功を奏す場面が多いと考えられます。
例えば、子どもから高齢者まで幅広い年齢層が集まる花火大会や、お酒を飲む人も多いお祭り会場、盛り上がりすぎて興奮状態の人も少なくないコンサート会場などです。こうした場面で案内・誘導を行う際には、女性警備員を配置することでトラブルが少なくなるケースも多いといわれています。
なお、交通整理や事故現場などの混雑・騒音クレームにつながりやすい現場においても、女性警備員が対応することで、問題が深刻化しにくくなる傾向にあるようです。
商業施設などの大型施設
女性らしい柔らかな印象は、商業施設やホテル、オフィスビルなどの警備でも生かされます。企業によっては、店舗のイメージアップを図るためにあえて女性警備員を配置しているところもあるようです。入り口に立ち、来場を促すだけであっても、男性警備員に比べて威圧感が薄く、印象が良くなる効果が期待されています。
また、施設が大きくなれば、女性用トイレや授乳室などの女性しか立ち入れない場所も増えます。女性客への持ち物検査・身体検査といった機会が増えるかもしれません。この場合も、女性警備員がいることで、ことがスムーズに運びます。
女性警備員として働くことのメリット
ここまでは、女性としての強みを生かせる部分に注目して解説をしてきました。一方で、警備員という仕事自体には、女性が働く際にうれしいポイントがいくつも存在します。
下記では、女性警備員として働くメリットを紹介します。
シフトの融通が利きやすい
一般的な仕事に比べて、警備員の仕事はシフトの融通が利きやすいとされています。また、勤務時間についても短時間から長時間まで様々。自分の都合に合わせて出勤できるという点は、女性のみならず、多くの方にとって大きなメリットでしょう。
特に、主婦の方のなかには、家庭と仕事の両立が難しいというケースも多いはず。女性警備員であれば、空いた時間で集中的に働き、収入が得られるはずです。
扶養の範囲内で働きやすい
こちらも主婦に方にとっては、うれしいポイントです。
上述のとおり、女性警備員はシフトを比較的自由に調整できます。そのため、収入を扶養の範囲内に納めるために、出勤日数を減らすといったことも可能です。
なお、主婦の方以外の場合は、しっかり収入を得るためにシフトを多く入れてもらうといったこともできるでしょう。ご自身の都合に合わせた働き方ができる点は、警備員ならではのメリットです。
週払い、日払い制度が多い
「週末に出かける予定があるけど、金欠で困っている……」
こうしたお悩みがある方は、週払いや日払い制度のある警備会社を選ぶのがおすすめです。多くの仕事は、月末締め翌月25日払いなど、お給料が入るまでにある程度の日数が空くものです。
一方、警備会社は短期間で給金を受けられる制度が整ったところが多く、小まめに収入が得やすい仕事といえます。
資格がなくても始めることができる
こちらは男女共にメリットといえますが、警備の仕事をはじめるのに、特別な資格や経験は不要です。キャリアアップのために取得しておきたい資格はありますが、はじめたてのタイミングでは必要ないといってもよいでしょう。
なお、未経験の方であっても、警備の現場に行く前に、しっかりとした研修があるので安心。きちんとした教育環境が整っている点も、警備員の仕事のメリットといえるでしょう。
女性警備員の仕事におすすめの方
次に、警備員の仕事が向いている女性の特長について紹介します。
下記の方は、女性警備員として活躍が期待できるでしょう。
- 主婦の方
- Wワークをがんばりたい方
- 人と接するのが好きな方
家事や育児をしつつ、仕事にもしっかりと就きたいとお考えの方に、警備員はぴったりです。シフトの融通が利きやすいため、子どもや家族のイベント時には休みも取りやすいでしょう。また、1日の労働時間が短めの仕事も少なくありません。空き時間を利用することで家事や育児との両立が可能です。
上記の特長は、Wワークをされる方にとっても、メリットといえます。現在の仕事にプラスして収入を得たいという場合にも、シフトをうまく調整すれば無理なくWワークが実現できます。
女性警備員は、イベント会場や施設案内など、人と接する機会が多い傾向にあります。人と接して「ありがとう」と感謝されることにやりがいを見いだせる方であれば、警備員の仕事でも充実感を得られるでしょう。
女性警備員について気になる疑問!求人に応募するときに気をつけるべきポイント
警備員の仕事はメリットも多いですが、求人に応募する際には、チェックしておきたいポイントがいくつか存在します。
下記では、女性警備員ならではの注意点について解説します。
業務内容を事前に確認する
一口に警備員といっても、業務内容は様々です。
例えば、ずっと立ちっぱなしになるような仕事の場合は、ある程度の体力が求められます。自信がない方は、勤務区域や勤務時間などを見た上で、しっかり続けられそうか確認してください。
ほかに女性警備員が活躍しているかどうか
すでに多くの女性が活躍している現場は、働きやすい環境が整っていると考えられます。
例えば、着替え室や休憩スペース、トイレなどが男女別になっていると、ストレスも少なくて済みそうです。そのほかにも、福利厚生や選択制の勤務時間など、実際に働くことを想定しながら職場を選んでください。
研修期間の待遇
警備員として働くためには、事前に合計20時間以上(未経験の場合)の研修を受けることが法律によって定められています。未経験の方からすると、しっかり教育を受けられるという点は大きなメリットといえるでしょう。しかし、研修内容や待遇は警備会社によって異なります。しっかり業務知識を教えてくれる会社を選ぶことで、現場に出たときにもしっかり活躍できるはずです。
女性警備員の現状
最後に、女性警備員の現状についても簡単に触れておきましょう。
警察庁が令和3年に発表した「令和3年における警備業の概況」によると、女性警備員の割合は6.7パーセントと、かなり少ない結果でした。人数にすると3万9,812人。男性が55万126人だったことを踏まえると、まだまだ女性警備員の数は少なすぎるといわざるをえません。
一方、30歳未満に限定した場合、女性警備員の割合は18.4パーセントにまで跳ね上がります。つまり、実際の現場では若い女性が警備員として活躍していることがわかるのです。こうした若年層が警備の仕事を続けていき、女性警備員の姿があたり前になっていけば、将来的には「警備員は男性の仕事」というイメージも払拭されるかもしれません。
出典:警察庁 生活安全局生活安全企画課「令和3年における警備業の概況」
まとめ
今回は、女性が警備員として働く際に知っておきたい情報をまとめました。男性が多い業種だからこそ、女性警備員の存在は貴重ともいえます。需要も十分であるため、将来性も含めてチャレンジできる業界ともいえるでしょう。本記事で、警備会社に興味を持った方は、ぜひ、女性警備員への道も検討してみてください。
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