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交通誘導 

23.04.14

交通誘導とは?交通誘導員の仕事内容や交通整理との違いを解説

交通誘導とは?交通誘導員の仕事内容や交通整理との違いを解説

道路工事現場やイベント会場などで活躍している交通誘導員。交通の流れを安全かつ円滑に進めるための誘導や案内が、主な業務です。
そのような業務に興味があっても、交通誘導と交通整理の違いや、交通誘導員が抱える法的権限の有無について、よく知らないという方も多いでしょう。
そこで今回は、交通誘導員の具体的な仕事内容や、交通整理との違いについて解説します。

交通誘導とは

交通誘導とは、道路工事現場やその周辺および、人や車両が行き来する場所において、誘導などにより事故の発生を防ぐ業務のことです。よりかみ砕いて説明すると、道でトラブルが発生しないよう、人や車に指示を出す仕事ともいえるでしょう。
なお、この業務は警備業法で下記のように定義されています。

人若しくは車両の雑踏する場所又はこれらの通行に危険のある場所における負傷等の事故の発生を警戒し、防止する業務

出典:「警備業法」第二条

交通誘導員とは

交通誘導員とは、前項で解説した交通誘導に関わる業務を行う人のことです。個人で業務を行うことはないですが、業務を委託された警備会社に所属している必要があります。
なお、一般の交通誘導員は無資格でも務まりますが、高速道路や国道といった重要な道路の交通誘導の場合は、1名以上の交通誘導警備業務検定の資格者を配置することが求められます。
そのため、一部の交通誘導員は有資格者である場合があります。

交通誘導員が持つ権限について

交通誘導員はあくまでも民間人なので、交通誘導に関わる業務を行うときに法的な権限は与えられていません。拘束力や強制力を持たないため、ドライバーが交通誘導員の合図に従うのは協力という意味合いになります。
一方、交通誘導員の合図を頼りに運転するドライバーも多く、事故発生時にはトラブルにもなりかねないため、注意が必要です。特に、交通誘導員の合図が曖昧だったり、誤った合図をしてしまったりすると、事故につながるケースも考えられます。
このように、法的な権限はないものの、交通誘導員には大きな役割が課せられているといえるでしょう。

交通誘導員の業務・仕事内容

交通誘導員は、道路工事現場やイベント会場、交差点などで、交通の安全・円滑を確保するための業務です。
具体的な仕事内容としては、下記のようなものがあります。

  • 交通規制の看板設置
  • 歩道が使用できない場合の歩行者用仮歩道の設置
  • 通行車両や歩行者の誘導や迂回路の案内
  • 移動経路や迂回路などの説明
  • 工事車両の安全な誘導
  • 信号機のない交差点・駐車場での手信号や口頭による交通整理
  • 事件・事故・火災・急病人が発生した場合の通報
  • 立入禁止場所・区域への人・車の侵入防止
  • 立入禁止場所・区域へ侵入した人・車への立退対応
  • 安全確保・混雑軽減のための人・車の誘導
  • ハンディキャップを持つ方などへの付き添いや誘導

なお、現場には多くの場合、2名以上の交通誘導員が配置されます。それぞれが無線で連絡を取り合い、スムーズで安全な通行を促すための誘導業務を行います。

交通誘導を行う現場

次に、交通誘導員が勤務する場所についても見てきましょう。
主に「工事などによる危険がある」「たくさんの人や車が行き交う」といった場所で、交通誘導員は活躍します。下記はその具体例です。

道路工事現場の周辺

道路工事を行う場合には、通行車両に対して交通誘導を行う必要があります。日常生活などでも、見かけることの多い仕事の1つです。
一口に道路工事の交通誘導といっても、実際には「一部区間の道路全体を通行止めとする場合」と「片側通行の場合」の2種類があります。前者の場合は、通行車両に対して迂回の指示などを出します。
一方、後者の場合は「歩行者の安全を守る誘導」と「駐車場内での誘導」という、ふたつの役割があります。いずれも、安全に対向車同士が交互に行き来できるよう、停止や通行の指示を行います。

建築工事現場の周辺

建築現場には危険も多いため、一般車両や歩行者が安全に通行できる誘導が必要です。重機の稼働中に周囲へ注意を促したり、立ち入り禁止の区間に人や車が入らないよう注意をしたりといった業務を行います。
また「工事現場の敷地への出入り口」と「敷地内」では、工事車両の誘導も行います。特に、出入り口では、一般車両や歩行者にも危害がおよぶ可能性があるため、慎重な対応が求められます。

車両や人が多く出入りする商業施設周辺

商業施設周辺の交通誘導は「駐車場内での誘導」と「歩行者の安全を守る誘導」の2つに大きく分けられます。
例えば、大型ショッピングモールの駐車場では、多くの車が行き交います。車両同士が接触してしまうリスクなども多いため、安全に通行できるよう誘導が必要です。
また、駐車場内やその出入り口では、歩行者と車両の事故発生も考えられます。トラブルが起こらないよう、それぞれに適切な指示を出すのも、交通誘導員の大切な仕事です。

イベント会場の周辺

大規模なコンサートや花火大会、お祭りといったイベント会場付近には、多くの人が集まり、交通に混乱を招く可能性があります。歩行者や車両のスムーズかつ安全な通行を促すためには、交通誘導が必要です。

交通誘導員になるために必要な資格は?

交通誘導業務を行う警備会社に採用され、規定の研修を受ければ、誰でも交通誘導員として働けます。この際には、特別な資格はいりません。未経験を歓迎している企業も多い傾向にあります。
一方、業界でのキャリアップを目指すのであれば「交通誘導警備資格」の取得がおすすめです。

交通誘導警備資格のメリット

交通誘導警備資格の取得は、給料などの優遇や転職時に有利になるなど、いくつかのメリットがあります。
速道や国道での交通誘導業務では、交通誘導警備業務検定2級以上の有資格者を配置する決まりがあります。警備会社としては、こうした重要な道路での警備業務受託を増やせるため、資格を持った警備員の確保が必要です。正社員に対しては資格取得が推奨されますし、中途採用者が資格を持っていれば、評価も高くなるでしょう。

交通誘導警備業務1級と2級の違い

交通誘導警備業務検定2級は、現場の安全を守り、ほかのスタッフに対して指導を行える立場です。ポジションとしては準隊長になります。
一方、交通誘導警備業務検定1級は、それに加えて、警備業務にあたる全スタッフの総合責任者(警備隊長)としての役割があります。また、警備隊長だけではなく、顧客との打ち合わせに参加することも可能になります。
なお、2級は独学で試験を受ければ誰でも取得可能です。1級の受験は2級の資格を取得した上で、1年以上の交通誘導の実務経験を積んでいる必要があります。

交通誘導員に向いている人とは、どんな人?

資格は不要であるものの、交通誘導員という職業には、ある程度の向き不向きがあります。下記で、交通誘導員に向いている人の代表的な特長とその理由を解説します。

忍耐力と体力に自信がある人

交通誘導は1日かけての立ち仕事となるため、筋力などは要りませんが、長時間集中して業務を行える体力が求められます。仕事内容は同じことの繰り返しにはなるものの、常に注意力が欠かせません。その意味で、警戒心を解かずに黙々と働ける忍耐力が求められるともいえるでしょう。

冷静で判断力がある人

交通誘導は、現場での一瞬の判断が重要です。交通量が多い現場では、車の流れを正確に把握し、適切な誘導を行わなければ、渋滞や事故など、深刻な問題が発生する可能性があります。
そのため、交通誘導員には、周囲の状況や車両の速度、車間距離などを把握し、適切なタイミングで的確な指示を出せる判断力が求められます。

コミュニケーション力のある人

交通誘導員は、通行人やドライバーと円滑にコミュニケーションを取ることが求められる職種の1つです。
例えば、通りすがりの人から道を聞かれたり、車の停止をお願いしたりする場合には、適切な言葉やジェスチャーを使って的確に説明することが求められます。

交通誘導員の給料

交通誘導員の給料は、契約の種類によって大きく異なります。「求人ボックス 給料ナビ」に掲載されている「交通誘導の仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)」から、実情について見ていきましょう。
関東で正社員として働いている場合の平均年収は333万円でした。月収にすると約28万円です。
ただし、階級によっても待遇は変わります。管理職や隊長警備員になると、給料も高くなるでしょう。なお、アルバイトの平均時給は1,057円です。
ただし、上記はあくまでも関東における平均給料です。別地域と比較すると、金額に差が出ます。地域によっては平均年収に50万円程度の差が出る場合もあります。

交通誘導員に賞与は出る?

賞与の支給は、会社ごとの規定や業績によって異なります。求人などに「賞与あり」と書かれた会社も多く見られるため、これから交通誘導員を目指す方は、こうした待遇面についてもチェックをするようにしましょう。

交通誘導と交通整理の違い

交通誘導と交通整理は、いずれもスムーズで安全な交通の流れを確保するために行われる業務です。
しかし、働く人、仕事内容、現場などには大きな違いがあります。
交通整理は、主に警察官や交通巡視員が担当します。信号機がない交差点などで手信号などによる交通誘導を行い、安全確保を図るのが主な仕事内容です。この際、警察官や交通巡視員には道路交通法第6条に基づく法的拘束力があります。運転手が指示に従わなかった場合には、交通違反になります。
一方、交通誘導員は、民間企業の警備会社やイベント会社などに所属することが多く、警備員による兼任というケースもあります。そのため、警察のように法的拘束力はありません。そのため、運転手が指示に従わなかったとしても、法的な問題は発生しません。交通誘導員の指示は、あくまでも協力要請であるという点が、大きな違いです。

まとめ

交通誘導の仕事は、交通の円滑化を図り、安全を確保するものです。地道なイメージもありますが、資格の取得などができれば上流の工程にも参加でき、キャリアアップも図れます。交通誘導員の仕事に興味がある方は、ぜひ、求人への応募を検討してみましょう。

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